Microsoft社が、OSとの密接な連携をウリにしているセキュリティソフトウェア「Windows Live OneCare」。以前も、ウィルスメールと勘違いして、問題のないメールをユーザ確認なしで削除してしまうなどといったお茶目な現象を発症していたが、今回もなかなか素敵な現象が発生した。
それは、セキュリティソフトウェアの要ともいうべき、定義ファイルの更新に失敗するという現象である。通常この手の設定は、タイムスケジュール等に応じて適当なタイミングで更新するものだが、ある日突然、定義ファイルが古すぎて危険にさらされているといった趣旨の警告メッセージを発したのである。
以前の私であれば、こういった更新は手作業で行う設定にしており、「あ、そういえばしばらく更新してなかったな」という感じであったが、最近はWebページからBlogに流れ着いていることからも明らかなように、自動設定(いわゆるデフォルト設定)にしてあった。にもかかわらず、定義ファイルが古いとはどういうことよ!というわけである。
そこで、手動更新を行ってみた。すると、エラーメッセージで「更新に失敗しました」と出る。これは明らかに正常な動作ではない。とは思いつつも、自らの操作ミスかもしれないという謙虚な心構えから、もう一度繰り返してみた。案の定、「更新に失敗しました」となった。無論、Internetには接続されており、問題なく通信は行えている。お試しユーザではなく、正規ユーザであるが、正しく登録されていないかも、というおそれからWindows Liveのサイトで確認するも、やはりきちんと正規ユーザとして登録されていた。そうなると、Windows Live OneCareの設定ファイル等が壊れてしまったのか、それとも…。
あてにはならないと思いつつも、指示されたヘルプやFAQを見ても、このような現象については何も書かれていない。検索語としてエラーメッセージである「更新に失敗しました」で検索しても該当なし(呆)。ヘルプセンターも役立たずであった。どうにもならないな…と半ば諦め半分で、「まだ疑問が解決しない場合は、製品サポートにお問い合わせください」という最後の指示で、リンクをたどっていくとこのようなメッセージが書かれているページにたどり着いた。
現在 Windows Live OneCare で定義ファイルの更新に失敗するという現象が確認されています。
この問題を解決するには、Windows Live OneCare をバージョン 1.6 にアップグレードします。アップグレードするには、Windows Live OneCare を一度アンインストールし、再度 Windows Live OneCare をインストールしてください。
現象は固有の問題ではなく、一般的に起こりうるものだとわかった。だが、この問題を解決するにはアップグレードが必要だという。無論、これもよくある話なのでいい。しかし、アップグレードするには一度アンインストールしてから再度インストールし直すというのは納得がいかない。というのは、無法地帯であるInternetにセキュリティソフトのサポートなしで、更新プログラムを入手しなければならないからである。Windows Live OneCareは、インストールするにもアンインストールするにも、Microsoft社のWindows Live OneCareのサイトにアクセスが必須である。にもかかわらず、このような対応を強いるのは、セキュリティソフトとしての姿勢を問いただしたくなるだろう。
さすがにこれではまずいと悟ったのか(あるいは単に暫定対応だったのか)、現在では当該告知は以下のように変わっている。
5/31 に発生した Windows Live OneCare で定義ファイルの更新に失敗する問題の対処が完了いたしました。
もし引き続き問題が発生する場合には、デスクトップ画面の右下の OneCare アイコンをダブルクリックしてメイン ウィンドウを開き、"更新プログラムの確認" をクリックしてください。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
まったく迷惑をかけられたぜ、といったところだ。こういう阿呆な対応は、そのソフトウェアの信頼まで失わしめる。せっかくノートンよりも軽い動作なのだから、つまらないことで退場とならないことを期待したい。やはり、バージョン3まではだめなのかもしれないが…(苦笑)。
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