Intel社は、新Mobileプラットホーム「Centrino Duo Processor Technology」を正式発表した。コードネーム「Santa Rosa」といった方が通りがよいが、ま、いずれ馴染んでいくに違いない。
さて、注目のプロセッサは45nmプロセスで製造されるコードネームPenrynでなく、従来と同じく65nmプロセスで製造されるコードネームMerom、つまり従前と同じプロセッサコアで新味はないが、堂々と新機能(New Features)として4つの機能を紹介している。
- Up to 800MHz FSB
- Dynamic Front Side Bus Frequency Switching
- Longer residency in Intel Deeper Sleep
- Intel Dynamic Acceleration
それぞれ解説を読むと、「Up to 800MHz FSB」は、「Improved front side bus speed of 800MHz from 667MHz」とあり、FSBクロックが667MHz(QDR 133MHz)から800MHz(QDR 200MHz)へと向上したのが一点目。
二点目の「Dynamic Front Side Bus Frequency Switching」は、「Virtually changes the bus dock frequency allowing a reduction in core voltage, enabling CPU to enter into a new lower power active state called super LFM resulting in lower power consumption in active state」と、やや説明が長いが、そのまま直訳意のとおり、ダイナミックにFSBクロックを切り替えるもので、プロセッサの負荷が低いときに、バスクロックを引き下げつつ、プロセッサのコア電圧を下げることにより低消費電力に寄与する地味な機能(だからやや長い解説なのだろう)。
三点目の「Longer residency in Intel Deeper Sleep」は、「Improved CPU and chipset interaction to redirect snoop cydes so CPU stays in DC4 longer resulting in lower power in an idle state」とあるように、プロセッサとチップセットが連携して、さらに消費電力を引き下げるもの。DC4と呼ぶ、Enhanced Depper Sleep Modeが新たに追加された。
四点目の「Intel Dynamic Acceleration」は、「Improved performance for single threaded applications」と説明は簡潔。シングルスレッドのアプリケーションを引き上げる、ということだが、具体的にはSingle Core Turbo Modeと呼ぶ動作モードを追加するもので、デュアルコアのうち、一つのコアをクロックアップさせる代わりに、もう一つのコアをアイドル状態にさせ、トータルとして消費電力を変えないという仕組みのようだ。
以上、4つのうち、3つは消費電力に効果のあるもの(狭義的には2つ)となっており、Mobileプラットホームを構成するプロセッサとしては正しい指向ではあるが、どうもいま一つ何が革新的なのか?という印象が強い。中でも、「Intel Dynamic Acceleration」は、シングルコアのみ有効とするという時代に逆行するかのような機能だと思う。そもそも、Single Core Turbo Modeは、どういう形で有効にされるのか(有効にすることができるのか)興味深い。OS側で判断するのか、プロセッサがOS等と無関係に判断するのか。DOSやWindows 9xを動作させれば、強制的にSingle Core Turbo Modeに切り替わるのか。
いずれにしても、Santa Rosa、いやCentrino Duo Processor Technologyの真打は、MeromではなくPenrynに変わったときとなるだろう。このとき、確実に本当の意味での新機能が追加になるのだから。
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