前回の続きです。
- Xeon MP系
Xeon 7100シリーズ(2006年8月29日正式発表)Tulsa
Xeon 7000シリーズ(2005年11月1日正式発表)Paxville MP
64-bit Intel Xeon MP(2005年3月30日正式発表)Potomac、Cranford
Xeon MP系は、Potomacのリリースが遅れに遅れ、64-bit対応が一年近くも遅延してのリリースとなり、しかも出荷数も整わないことから、Xeon DP系列で使用されていたプロセッサコア(Nocona)をCranfordとして追加リリースするという、MPを名乗ることはいかがなものかという状態で何とか2005年3月に、ようやく64-bit対応を果たした。
しかし、デュアルコアOpteronのプレスリリースを受け、さらに慌ててデュアルコア化を急ぐこととなり、前倒しの前倒しという状態で、Xeon 7000シリーズを2005年11月に発表。デュアルコアプロセッサといいつつも、実際はダブルシングルコアオンチッププロセッサに過ぎなかった。これで形の上ではしのぎつつ、NetBurstマイクロアーキテクチャ最終形態となるTulsaを2006年8月にリリースした。だが、Coreマイクロアーキテクチャへの移行は未だ行われておらず、Itanium 2との関係も諸般の事情で異動があり、まだまだ予断を許さない状況にある。
- Xeon DP系
Xeon 5300シリーズ(2006年11月14日正式発表)Clovertown
Xeon 5100シリーズ(2006年6月26日正式発表)Woodcrest
Xeon 5000シリーズ(2006年5月23日正式発表)Dempsey
Dual Core Intel Xeon(2005年10月11日正式発表)Paxville DP
Dual Core Intel Xeon LV(2006年3月15日正式発表)Sossaman
64-bit Intel Xeon(2005年2月15日正式発表)Irwindale
Xeon DP系列は、NoconaからIrwindaleへの移行は順調に推移したものの、デュアルコアOpteronのプレッシャーは逃れられるものではなく、無理矢理デュアルコア(ダブルシングルコアオンチップ)プロセッサPaxvilleを前倒しリリースした。このPaxvilleは、Xeon MP系列にもわずかな改良で搭載されることとなり、形の上では救世主的な役割を担ったが、つなぎ(ショートリリーフ)以外の何ものでもなかった。
Paxvilleを継いだのは、同じくNetBurstマイクロアーキテクチャのDempseyだったが、せっかくのXeon DP系列初のプロセッサ・ナンバーを付与されたにもかかわらず、わずか1か月後にCoreマイクロアーキテクチャを採用したWoodcrestこと、Xeon 5100シリーズが登場する。プロセッサ・ナンバーではわずか100の違いでしかないが、中身はまったくの別物。しかも、パフォーマンスは格段に5100シリーズの方が上であり、何のために5000シリーズが出てきたのか疑問符がつく(Paxvilleがつなぎだったというところからすれば出てきて当然だが、NetBurstに執着する必要性がどのくらいあるのか…)。
また、Xeon LVとしてMobileプロセッサCore Duo(Yonah)をデュアルプロセッサ対応として改良したSossamanがリリースされるなど、系列等を無視してでも形の上で適用させるという形が目立つ。
そして、クアッドコアを自称するダブルデュアルコアオンチッププロセッサとなるClovertownが5300シリーズとしてリリースされた。何もそこまでして…と思ってしまうが、その昔のクロック1GHz到達競争でAMD社に煮え湯を飲まされたIntel社が、2GHzや3GHz到達では頼んでもいないのに(苦笑)威張ってプレスリリースしたことを思い出す。デュアルコアでは煮え湯を飲まされたため、クアッドコアでは意地でも先にリリースしようとしたのだろうが、せっかくのCoreマイクロアーキテクチャが台無しになるほど、不細工な実装であるとしか言いようがない。それにしても、Paxville、Dempsey、Clovertownと2つのプロセッサダイをチップに載せる実装は、Pentium Pro以来、この系列には避けて通ることができないということなのだろうか(苦笑)。
と、ここで次回に続きます。
コメント