今年に入って、土日は専ら読書に充てている。先週読み進めた本は、
「京都市政史」第1巻だ。第1巻とあるが、この手のシリーズによくあるように1巻から順に刊行されるのではなく、京都市情報館のWebページ記事によれば、これより前に2冊(第4巻、第5巻)が既刊として出版されており、3年ごとに計画的にリリース予定であることがわかる。既刊はいずれも資料編だが、たいていの場合、資料を蒐集した後に本文を執筆する流れであろうから、まぁそういうことだろう。
では、なぜ京都市民でもない私が、京都市の歴史に興味を抱いたのかと言えば、単に「明治直後まで千年以上、都であった京都が江戸→東京にその地位を奪われた後、どのように推移していったのか」という一点からに尽きる。無論、読み進めていけば、様々なものに興味を抱くようになっていくのだが、なぜ本書を手に取ったのかということについては、このような考えからにほかならない。
そんなわけで、本書は明治以降の歴史に焦点が当てられている。京都市政史を名乗る以上、京都「市」となってからが本来の市政史であるが、もちろんいきなり市政が始まるわけではないので、その前史も当然必要となる。そのタイミングが都でなくなって以降からというのは、私の興味とも一致し、序盤は面白く読み進めることができた。
しかし、本書は通読して面白いものではない(と思う)。歴史書(市史とか企業史の類)を読むのに慣れているのであれば、面白く興味深く読み進めることができるだろうが、一般には敷居が高いように感ずる。帯には「京都・都市再生のドラマ」とあるが、そこまで感ずるには歴史書を読む「慣れ」が必要ではないかな、それでも、一般的に著される地方自治体の歴史書に比べれば、はるかに高いレベルにはある。そんなことを感じつつ、今回はここまで。
この本をまだ読んでいませんのでコメントできる立場にはありませんが、京都の人は東京に遷都したとは未だに認めていないと聞いています。忠臣蔵の発端となった勅使の接待に見られる様に天下の将軍様といえども、官位を得るには源三位頼政ではないが朝廷からの勅許がなければ何も出来ません。徴税権を失ったといえ形式上律令制度は幕末迄残っていました。天皇の東京行幸に反発するその誇りが東大に負けない技術力に反映されているのでしょう。日本人なら誰でも京都に行くとなにかほっとするのもそこに何かがあるのでしょう。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/01/26 13:12