blogに久々に記事を書こうと思ったのは、若干時間が取れたことが最大要因ではあるのだが、それ以上に2015年という年が節目の年になるような予感を覚えるからだ。というのも「xxx5」年という末尾が「5」の年は、私的には20年前のWindows 95の発売日というインパクトの強い出来事があっただけでなく、本当に様々なものがあったからである。
10年前の2005年はYouTubeが始まった年で、始まった当初は、こんなの何の役に立つのだろうと思っていた。もちろん、私自身はPC上で動画を鑑賞するということは興味深く、いや力強くやりたいと思っており、QuickTimeやVideo for Windowsはもちろん、Windows 3.0に被せるMultimedia Extension(MME)もハードウェア込みで導入していた。そもそもアナログビデオデータをデジタルに変換すること自体がノイズの塊を相手にすることもあり、また画像圧縮技術も大したものはなかったこともあって、本当に、本当に今からすれば些細なものであったが、それでもマルチメディア(死語)を扱うこと自体が楽しかったといえるだろう。無論、そういった基礎や試行錯誤があって今日があるのだが。
さて、横道にそれかかったので戻すと、YouTubeは様々な著作権侵害問題を惹起することとなったが、一方でこれを利活用する動きも並行して進み、今ではネット動画は当たり前のものとなっている。サービスインから10年。今ではGoogle傘下となってはいるが、日常的に欠かせないものとなっているのは確かである。(同年にはGyaOも動画配信サービスを開始しているが、私も当初はさわったもののすぐに利用しなくなった。)
もう一つ、この年には重要なサービスが開始された。それはGoogle Mapsである。検索に地図情報を組み合わせるというアイディアは、今ではあまりに当たり前すぎて、それが発明と言えるかどうかが微妙に思えてしまうが、この仕組みを編み出したことそのものが画期的だと言える。私自身、YouTube以上に利用しているのがGoogle Mapsであるのは疑いない。地図情報に限ってみれば、Google Mapsよりも優れているものは個別にあるのだろうが、総合的に見てこれにかなうものはないだろう。
2005年は、YouTubeとGoogle Maps。どちらも始まってから今年で10年なのである。う~む、空恐ろしいほどの進化のスピードだと唸ることしかできない……。
そして、20年前の1995年は、やはりWindows 95だ。世間的には地下鉄サリン事件や新世紀エヴァンゲリオン放映など、大きなものは数多あるが、私にとってはWindows 95と、そしてIntel Pentium Pro発表。この二つがエポックメイキングと言える。とはいいつつ、実はどちらも1995年ではなかった可能性もあった。Windows 95、開発コードネームChicago(そういえば秋葉原にソフマップChicago館ってのがあったねぇ)は、本当なら前年の1994年を最終リリース目標に設定していたが、16-bit(Win16)との互換性を最後の最後まで調整した(同時にパフォーマンスも改善した)ことで大幅に予定がずれ込み、その結果が1995年のリリースとなった。一方のPentium Proは、同じくこちらも開発が遅れていたが、Windows 95とは逆に前倒しのリリースとした。それは、ターゲットがハイエンド向けであったことから、歩留まりが悪くても何とかなると踏んだからである。
そういう戦略という名の偶然も重なって、Windows 95とPentium Proは1995年にリリースされたのだが、Windows 95はWindowsを大きく普及させた立役者であるが、一方のPentium Proは営業的に失敗されたとされる。だが、これを同列で取上げるのは、Pentium Proが今も続くP6マイクロアーキテクチャの嚆矢だからである。無論、マイクロアーキテクチャレベルで見れば、既にP6ではないという見方もあるが、基本的なラインで見れば何ら変わることはない。Pentium M(Banias)で大きく手を加えられてから、現在のHaswellに至るまで、改良に次ぐ改良が行われているが、本質は変わっていないのである。
64-bit時代になって、P6(そしてIA-32)もWin32(最初はWindows NT 3.1で導入されたが、大きく普及させたのはWindows 95)のどちらもPCそのものが影が薄くなってきているが、20年経って今なお大きな影響力を及ぼしている事実に疑いはない。そうだ、大きな影響といえば、この年にamazon.comが始まったことも忘れてはならないだろう。
そして、30年前の1985年は、わが阪神タイガースが唯一日本一となった年だ(苦笑。ただし二リーグ制以降)。と、それはともかく、私的に大きなエポックは、Intel 80386とWindows 1.0。どちらも当初はぱっとしなかったが、80386はTIMES誌の表紙を飾ったりもしたので、当初から注目されていたのは確かである。一方、Microsoft Windows 1.0は数多あるウィンドウシステムの一つに過ぎなかった(その上、出来のいいものとは言えなかった)。ウィンドウシステムといえばApple社のMacintoshであり、この年、あのExcelがMacintoshにおいて初めてリリースされた。そう、今年はExcel登場30周年なのである。
思えば、今はなきADOマイコン・データショップで、Macintosh上で動作するExcelのデモを見たときが初めてのExcel(当時はEXCEL)との出会いだった。当時は軽く70万円くらいを出さなければ買えなかったので、さすがに手が出せなかったため、近くにあって遠きにあるものだったが、Multiplanや1-2-3とは比べにならないほどエレガントであった。それがWindows上で使えるときもうれしかったが、同時に何かが違うぞと言う違和感もあったが、それがウィンドウシステムの美しさであったことはすぐにわかった。というわけで、何だかんだで私にとってはExcelがこの年のナンバーワンと言えるかもしれない。
そして、40年前の1975年。さすがにこの頃はマイコンすら意識していない子どもだったので、今振り返れば重要出来事と思えるものを列挙する。前年12月のAltair 8800登場と、それを受けてのHomebrew Computer Club設立が大きいだろうか。ここからは、Altair 8800用BASICの開発から始まるMICROSOFTの誕生(1975年)があり、Apple I開発から始まるAppleの誕生(1976年)もある。すべての始まりはここにあったと、誰もが思える原点の年だったと。
そんなわけで、2015年。色々なことが起こるのだろうとしつつ、今回はここまで。
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